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パッシング
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バイク走行で、夜間に尾行する前車が無く自車のみで走行する場合、ハイビームが安全と思います。 バイクのヘッドライトは四輪のように明るくなく、より遠くが見通せないと危険です。 対向車には迷惑でしょうが、特に対向が四輪の場合、自車のライトがローだと見通せなくなるため、ハイビームで突っ込むのが無難でしょう。 バイクはスピードが出る乗り物であって、事故って痛い目するのは自分だから、相手には迷惑でしょうが、実際のところ自動車のロービームに相当する程度の明るさなのか対向車にパッシングされるようなことは有りません。 ハロゲンビームの容量のでかい球を付けている場合は別でしょうが。
パッシング
パッシングスイッチの付いていないバイクに、スイッチを増設します。
@は、ヘッドライトの大まかな回路で、二本の赤線に押し戻り式スイッチを付けることでパッシング出来ますが、スイッチを押している状態では、ロービーム、ハイビーム共にフィラメントが点灯します。
また、容量の小さいスイッチだと内部接点が焼ききれる場合があり、この場合リレーを介することで対処出来ますが、動作方法は同じです。 フィラメントの同時点灯とは言え、パッシングはそれほど行うことではないから、多くのバイクではパッシング用のリレーを介した方法もしくは、リレーを介さず容量の大きいスイッチを使いそのまま接続する方法を執っているようです。

Aは、二接点を持つリレーを使い、押し戻り式スイッチを押すことでリレーが働き、ロー側への電流はカットされると同時にハイ側へ電流が流れます。
ディマースイッチがロー側の状態では押し戻り式スイッチの片方へプラス電圧が掛かっていると同時に、リレー接点を通ってライトのロー側へも電流が流れるため、ロービーム点灯します。
押し戻り式スイッチを押すとリレーが働き接点が動くことで、プラス電流はライトのハイ側へと移動するため、ロービーム消灯、ハイビーム点灯となります。
ディマースイッチがハイの時は、押し戻り式スイッチへのプラス電流は断たれるから、スイッチを押してもリレーは働きません。
ダイオードは、ディマースイッチがハイの時にプラス側の電流がライトのフィラメント内を通ってさらにリレー接点を通り、押し戻り式スイッチ片方へも電流が掛かることでスイッチを押した時にリレーが誤動作するのを防ぐためのもので、大電流を流せるものを使います。
ディマースイッチのロー側からヘッドライトのロー側へつながる線の途中をカットする必要があります。(図の赤×部分)

Bは、ダイオードを使わない方法です。
プラス側の電流がリレー接点を通ってディマースイッチの共通端子に掛かっているため、スイッチがロー側だとロービームが点灯します。
ディマースイッチがロー側状態で押し戻り式スイッチを押すと、リレーコイルへ電流が流れ接点が動くことで、プラス電流はライトのハイ側へと移動するため、ロービーム消灯、ハイビーム点灯となります。
ただしこの場合、ディマースイッチがハイ側の時に押し戻り式スイッチを押してもリレーが働きます。
ディマースイッチがハイ側の時も、プラス側電流はリレー接点を通ってライト側へ流れます。
この時押し戻り式スイッチを押すとリレーが働き接点は移動しますが、プラス電流は他方の接点を通って流れるため、ハイビームは点灯します。
ディマースイッチがハイ側の時に押し戻り式スイッチを押すと、リレー接点移動の際にライトがわずかに暗くなるかもしれません。(接点移動時間と言っても極一瞬ですが)
しかしダイオードを使う方法と違って、ライトへ流れる電流のロスを省けるでしょう。
ディマースイッチの共通端子へつながる線の途中をカットする必要があります。(図の赤×部分)

リレーはエーモン社の品番:1246、押し戻り式スイッチは同社の品番:1219などが良いと思います。
断続パッシング
 *断続パッシング*
ディマースイッチがロー側状態で押し戻り式スイッチを押し続けると、フラッシャー回路が働きリレーが断続的にオンオフを繰り返すことで、ヘッドライトがハイ・ロー交互に点灯します。
フラッシャー回路は、エーモン社:フラッシュサーキット(品番1247)など。
パッシングスイッチがあらかじめ付いているバイクの場合、スイッチと並列にリレー接点(図の赤○部分)をつなぐだけで良いでしょうが、ハイ・ローフィラメントが同時に点灯する仕組みのものがあり、この場合断続的に繰り返すとフィラメントが焼き切れる恐れがあるため、回路を増設するべきでしょう。
なお、上述Aのダイオードを使った方法でも作れますね。
リレーコイルへつながっている押し戻り式スイッチの片方はフラッシャー回路、リレーコイルはフラッシャー回路の出力へつなげます。
フラッシャー回路の出力コードが一本の場合は、多くの場合プラス出力でしょうから、リレーコイルのプラス側につなぎ、リレーコイルのマイナス側はアースへ落とします。
ホーン連動パッシング
  なかなか面白く、お奨めです!
急ぎの配達などの時にトロトロ走る軽四などがあると、これを使えば避けてくれるかも? いや〜、はた迷惑な! こちらはマイぺースでゆっくり走っているのに馬鹿な珍走バイクが迫ってきたわ。 すんません、無理なすり抜けより、右側を抜く方が安全なんで〜す。

*ホーン連動パッシング*
ディマースイッチがロー側状態で押し戻り式スイッチを押し続けると、フラッシャー回路が働きリレーが断続的にオンオフを繰り返すことで、ヘッドライトがハイ・ロー交互に点灯します。
さらにホーンスイッチを押しても、ヘッドライトがハイ・ロー交互に点灯します。
ダイオードは、押し戻り式スイッチを押した際にホーンが鳴ってしまうのを防ぐためのものです。
ホーン連動パッシングをスイッチによって利用可不可を選択したい場合は、回路斜線部分(ダイオードの近く)にスイッチを入れます。
なお、ヘッドライト自動消灯を組んでいる場合は、ヘッドライト消灯状態にてパッシング及びホーン連動パッシングは効きません。
回路青色のダイオードを増設し、矢印側を、ヘッドライト自動消灯回路の破線部分につなぐと良いでしょう。
押し戻り式スイッチまたはホーンスイッチを押すとフラッシャー回路へ流れるマイナス電流がダイオードを介し、消灯のため断になっているヘッドライトのマイナス線へ強制に電流を流します。
ホーンスイッチはマイナス側に付いている場合が多く、その場合は、フラッシュ回路を働かせるための押し戻り式スイッチもマイナス側へ取り付けます。
そのようにしないと、ホーンスイッチを押したときにフラッシャー回路へマイナス電流を流せなくなります。
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